インドネシアの国有林地におけるランドグラブの現状 : 木材林産物利用事業許可の分析

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タイトル別名
  • Current Situation of Land Grab in State Forest Area in Indonesia : Analysis of Forest and Wood Products Utilization License
  • インドネシア ノ コクユウ リンチ ニ オケル ランドグラブ ノ ゲンジョウ : モクザイ リンサンブツ リヨウ ジギョウ キョカ ノ ブンセキ

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抄録

「ランドグラブ」と呼ばれる大規模な土地取引,土地投資,土地取得が近年急増している。ランドグラブは,開発の機会として活用できるという肯定的な見方がある一方で,土地の私有化と集積は,世界各地の小規模農業と農村部の生活を壊滅させるという懸念もなされている。本研究は,木材林産物事業許可に焦点を当て,『森林利用情報データ』,『インドネシア林業統計』,並びに関連法の分析を通じて,インドネシアの国有林地におけるランドグラブの現状を明らかにした。事業許可が交付されている面積の大部分は,天然林伐採と産業造林を対象としており,近年,天然林伐採の事業許可は減少する傾向にある一方で,産業造林の事業許可は増加する傾向にあった。また天然林伐採,産業造林ともに交付されている事業許可は10万ha未満のものが多数を占めたが,少数の企業によって大規模な林地が保有されていた。更に,複数の事業許可を企業グループとして保有している場合もあり,2010年の時点で,天然林伐採の総事業許可面積の28.6%は,10の企業グループ,また産業造林の総事業許可面積の39.0%は,2つの企業グループによって集積されるなど,少数の企業グループによる林地の集積が進んでいた。

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