イチゴ小葉における炭疽病による赤色小斑の発生

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タイトル別名
  • Occurrence of the new 'small reddish spot' symptom caused by Colletotrichum gloeosporioides sensu lato on field-grown strawberry leaflets
  • イチゴ ショウヨウ ニ オケル タンソビョウ ニ ヨル アカイロ ショウハン ノ ハッセイ

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抄録

2013年に愛媛県内で採集したイチゴ炭疽病菌を県内主要品種の‘紅ほっぺ’等の小葉へ無傷接種したところ,既に現地で発生している汚斑症状,大型病斑に加え,新たに大きさ1~3mm,同箇所の葉表から葉裏へ突き抜ける赤色小斑が発現した。2013~2014年,露地圃場のイチゴ株にこの赤色小斑が確認されたことから,発症小葉を採集し常法による組織分離を行った結果,イチゴ炭疽病菌の特徴を有する菌叢が供試切片の30.0~81.8%の割合で生育していた。単胞子分離した菌株は形態的特徴からColletotrichum gloeosporioides sensu latoと同定された。また,本菌株のinternal transcribed spacers(ITS)1,ITS2領域を含むrDNAの決定塩基を相同性検索したところ,C. gloeosporioides,Glomerella cingulataと100%の相同性を示したことから,形態観察の結果が支持された。本病の発病圃場では,赤色小斑を有するイチゴ株はクラウン部への潜在感染の危険性が高いことから,発病株として圃場からの除去対象になるものと判断した。

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