空腹時血糖正常者における血糖と血圧の関係

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タイトル別名
  • Relationship between Plasma Glucose Levels and Blood Pressure in Individuals with Normal Fasting Plasma Glucose
  • クウフクジ ケットウ セイジョウシャ ニ オケル ケットウ ト ケツアツ ノ カンケイ

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抄録

目的:空腹時血糖(FPG)正常者においてFPGと血圧の関係を検討した.<br>方法:降圧薬,脂質改善薬,高尿酸血症治療薬を内服していない人間ドック受診者のうちFPG < 100mg/dLかつHbA1c < 5.6%であった1,114名を対象に,収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)とFPGを含めた各因子[年齢,性別,BMI,ウエスト周囲長,総コレステロール(TC),中性脂肪(TG),HDLコレステロール(HDL-C),LDLコレステロール(LDL-C),尿酸(UA),eGFR,家族歴(糖尿病,高血圧),生活歴(喫煙,飲酒)]の相関を検討した.さらにFPGにより対象を3分位に分け,T1群62~89mg/dL(398名),T2群90~94mg/dL(356名),T3群 95~99mg/dL(360名)として,3群間のSBP,DBPを検討した.<br>結果:SBPとDBPはFPG,年齢,性別,BMI,ウエスト周囲長,TC,TG,LDL-C,UAと正の相関,HDL-C,eGFRと負の相関を認めた.重回帰分析の結果,FPGはSBPとDBPにおける独立した説明変数であった.さらに共分散分析により各因子を調整しても,T1群と比較してT2群,T3群ではSBPとDBPが有意に高かった.<br>結論:FPG正常者においてFPGは血圧の独立した説明因子であり,FPGが高い集団では血圧がより高い.これはFPGが正常範囲であっても,血糖上昇と血圧上昇が密接に関係することを示すものである.

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