花序からの蒸散の抑制によるアジサイ切り花の花持ちの延長

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  • Inhibition of Transpiration from the Inflorescence Extends the Vase Life of Cut Hydrangea Flowers

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抄録

アジサイ(Hydrangea spp.)の切り花における,花序からの蒸散量と花持ちとの関係について調査した.二次花序の一部の切除や花序へのポリ塩化ビニルフィルムによる被覆処理によって,切り花からの蒸散量が抑制され,花持ちが延長された.小型の花序をもつ切り花では大型の花序をもつ切り花と比較して蒸散量が少なく,花持ちも長かった.がく片における気孔伝導度の平均値は 2.7 mmol·m−2·s−1 から 3.3 mmol·m−2·s−1 であり,がく片の背軸面に存在する気孔のうち,開口していた気孔が占める割合は明期の測定で約 6%であった.また,切り花からの蒸散量に明暗周期に同調する明確な日変化が認められなかったことから,がく片に存在する気孔の多くは機能しておらず,がく片からの蒸散は主にクチクラ蒸散によるものと考えられた.以上からアジサイの切り花では,装飾花数が少ない花序の利用や,装飾花がく片の表面からの蒸発散を抑制する処理を行うことで,花持ちの延長が可能になると考えられた.

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