ホモプシス根腐病の発病に及ぼす土壌の種類,施肥リン酸,土壌pHの影響

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タイトル別名
  • Soil type, phosphate application, and soil pH all influence the incidence of black root rot caused by Phomopsis sclerotioides
  • ホモプシス ネグサレビョウ ノ ハツビョウ ニ オヨボス ドジョウ ノ シュルイ,セヒ リンサン,ドジョウ pH ノ エイキョウ

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抄録

土壌の種類とpH,ならびに可給態リン酸量の相違がホモプシス根腐病菌の生育と発病に及ぼす影響について検討を行った.オートクレーブによる滅菌処理後にホモプシス根腐病菌を添加した黒ボク表層土,黒ボク下層土,灰色低地土,褐色低地土,赤黄色土を用いて発病試験を行った結果,黒ボク表層土では他の土壌に比べて顕著に発病が抑制された.また,同じ5種類の土壌を用いて,土壌平板培地試験を行った結果,黒ボク表層土でホモプシス菌の菌糸伸長が抑制された.黒ボク表層土にリン酸を過剰に添加した結果,土壌の可溶性アルミニウムの減少に伴い,菌糸伸長抑止力と発病抑止力が低下した.黒ボク表層土のホモプシス根腐病発病抑止には活性アルミニウムの関与が示唆された.次に,pH(H_2O)を5.5〜7.5に調整した土壌を用いて土壌平板培地試験と発病試験を行った.その結果,pH低下に伴い菌糸伸長が良好となり発病度も高まった.また,pH(H_2O)を6.5以上に高めることにより発病度が顕著に低下した.以上の結果より,黒ボク表層土はホモプシス根腐病の発病抑止土壌であること,土壌へのリン酸の過剰施用や土壌酸性化が黒ボク表層土の抑止力を弱め,発病を助長することが明らかとなった.

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