ニホンカボチャ‘シマカボチャ’(<i>Cucurbita moschata</i> Duchesne ex Poir.)を台木として接ぎ木したセイヨウカボチャ‘黒皮デリシャス’(<i>Cucurbita maxima</i> Duchesne ex Lam.)の高温条件下での生育促進および収量の増加

  • 大和 陽一
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
  • 壇 和弘
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Improved Growth and Yield under High-temperature Conditions of <i>Cucurbita maxima</i> Duchesne ex Lam. cv. Kurokawa-delicious Grafted onto <i>Cucurbita moschata</i> Duchesne ex Poir. cv. Shima-kabocha as Rootstock
  • ニホンカボチャ'シマカボチャ'(Cucurbita moschata Duchesne ex Poir.)を台木として接ぎ木したセイヨウカボチャ'黒皮デリシャス'(Cucurbita maxima Duchesne ex Lam.)の高温条件下での生育促進および収量の増加
  • ニホンカボチャ'シマカボチャ'(Cucurbita moschata Duchesne ex Poir.)オ ダイギ ト シテ ツギキ シタ セイヨウカボチャ'クロカワ デリシャス'(Cucurbita maxima Duchesne ex Lam.)ノ コウオン ジョウケン カ デ ノ セイイク ソクシン オヨビ シュウリョウ ノ ゾウカ

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抄録

ニホンカボチャ‘シマカボチャ’を台木とした接ぎ木がセイヨウカボチャ‘黒皮デリシャス’の高温条件下での生育および収量,根圧による出液速度,ならびに葉の相対含水率に及ぼす影響について検討した.7月上旬にガラス室内に定植した場合(平均気温29.1°C),‘シマカボチャ’を台木とした‘黒皮デリシャス’の接ぎ木植物では,穂木と同じ‘黒皮デリシャス’を台木とした接ぎ木植物に比較して,主枝の伸長,ならびに葉の展開が促進された.個体当たりの収穫果実重は,‘黒皮デリシャス’を台木とした接ぎ木植物より‘シマカボチャ’を台木とした接ぎ木植物で有意に大きかった.8月下旬からガラス室内で11日間(平均気温28.5°C)ポット栽培した,‘シマカボチャ’を台木とした接ぎ木植物では,‘黒皮デリシャス’を台木とした接ぎ木植物より根の乾物重当たりの出液速度が高く,根系の生理的活性は高いと考えられた.35/30°C(明/暗期)で4日間生育させた,‘黒皮デリシャス’を台木とした接ぎ木植物の相対含水率は,25/20°Cで生育させた場合より有意に低下したのに対し,‘シマカボチャ’を台木とした接ぎ木植物では,25/20°Cでの値との有意差はなく,‘黒皮デリシャス’を台木とした接ぎ木植物より有意に高かった.以上のことから,‘シマカボチャ’を台木として接ぎ木した‘黒皮デリシャス’では,高温条件下での台木の根系の生理的活性,ならびに穂木の葉の相対含水率が高く,光合成速度の低下が抑えられることが,生育促進および収量の増加に関係すると考えられた.

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 14 (2), 171-177, 2015

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (2)*注記

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