共溶媒溶液分子シミュレーションによるリガンド結合ポケット探索 ― Computational FBDD に向けて ―

  • 小久保 裕功
    武田薬品工業株式会社 医薬研究本部 化学研究所
  • 横田 彰宏
    武田薬品工業株式会社 医薬研究本部 化学研究所
  • 岡部 篤俊
    武田薬品工業株式会社 医薬研究本部 化学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • キョウ ヨウバイ ヨウエキ ブンシ シミュレーション ニ ヨル リガンド ケツゴウ ポケット タンサク : Computational FBDD ニ ムケテ

この論文をさがす

抄録

タンパク質のポケットに安定に結合する小分子を特定することは,様々な生体分子反応の機構解明やドラッグデザインにとって極めて重要である.そこで我々は共溶媒中の分子シミュレーションを用いてリガンドの結合ポケットを探索する方法を開発した.本方法は4 つのステップからなる.最初に,20 %体積濃度の小分子と水から成る共溶媒溶液を準備する.二番目に,タンパク質を共溶媒溶液に浸し,平衡分子動力学計算を実施する.三番目に,シミュレーション結果を解析し,小分子が高濃度に存在した領域を特定する.最後に,主成分解析により小分子の結合モードを予測する.最初のテストとして,我々はProtein Data Bank から利用可能な5 つのタンパク質-リガンド複合体に対して手法を適用した.その結果,我々の方法で安定と予測された小分子の位置と向きは,実験的に安定と知られているリガンドの部分構造と一致していることが分かった.さらに,一つの系ではinduced-fit を必要とする隠れたポケットを精確に特定できた.

収録刊行物

  • アンサンブル

    アンサンブル 17 (2), 72-76, 2015

    分子シミュレーション学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ