パーキンソン病/レストレスレッグス症候群の認知機能

  • 宮本 雅之
    獨協医科大学 看護学部看護医科学(病態治療)、医学部内科学(神経)

書誌事項

タイトル別名
  • Cognitive function in Parkinson’s disease and restless legs syndrome
  • イブニングセミナー パーキンソン病/レストレスレッグス症候群の認知機能
  • イブニングセミナー パーキンソンビョウ/レストレスレッグス ショウコウグン ノ ニンチ キノウ

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抄録

<p>【要旨】パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)およびレストレスレッグス症候群(Restless legs syndrome:RLS)の認知機能について概説した。</p><p>PDにおける認知機能は、注意/遂行機能(言語流暢性、問題解決、概念形成、セット変換など)、記憶(作業記憶、自由再生など)、視覚空間機能が障害され、線条体前頭葉の神経回路(ドパミン神経系)やコリン作動性神経系の関与が示唆されている。PDにおいて軽度認知機能障害(PD-MCI)は、早期のPDの臨床像としても認められることがあり、PD-MCIか認知症(PDD)への進行は、認知機能障害の重症度、年齢、PDの運動症状の重症度に依存する。また、PDにおいてRBDの併存例ではMCIの有病率が高い。</p><p>RLSにおける認知機能は、慢性の睡眠不足により前頭前野がつかさどる遂行機能に影響をもたらすという研究結果が報告されているが、結果は相反する部分がある。健常者の睡眠不足とRLSによる不眠との病態の差異と認知機能への影響を含め症例の集積と検討が必要である。</p><p>PDとRLSの両者において、認知機能障害の存在は、患者、家族・介護者のQOLに悪影響を及ぼし、適切なる評価と積極的な治療介入を含めた対応が必要である。</p>

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