トイレットペーパーのカーボンフットプリント(CFP)の試算

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タイトル別名
  • トイレットペーパーのカーボンフットプリント(CFP)の試算 : 富士市の家庭紙工場の例
  • トイレットペーパー ノ カーボンフットプリント(CFP)ノ シサン : フジシ ノ カテイ シコウジョウ ノ レイ
  • ―富士市の家庭紙工場の例―

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抄録

本研究では,静岡県富士市に位置する家庭紙工場で生産された再生紙トイレットペーパー6個パック製品について,CFPの試算を行った。試算にあたっては,調査した工場で生産しているトイレットパーパー以外の製品の生産割合も考慮し,可能な限り1次データを使用し,それ以外についてはカーボンフットプリント制度商品種別算定基準(PCR)「紙・板紙」(PPR―025)に則って計算した。<br>その結果,2406.9g―CO2eq/パックとの結果が得られた。トイレットペーパー1個あたりでは,包装・梱包資材を含めて401.15g―CO2eq/個となった。CO2排出量の段階毎の内訳は,原材料調達段階で140.63g―CO2eq/パック(構成比5.8%),生産段階で1824.57g―CO2eq/パック(75.8%),流通・販売段階で329.13g―CO2eq/パック(13.7%),廃棄・リサイクル段階で112.57g―CO2eq/パック(4.7%)となった。<br>CFPを削減するには,CO2排出割合が高い生産段階において,省エネの推進や原単位の低い再生可能エネルギーの導入など,エネルギー由来のCO2排出量の削減対策を行うことが効果的であると考えられる。例えば,風力発電等のグリーン電力証書等により,発電原単位の少ない電力の導入などが考えられる。また,CFPの計算にあたっては,各種排水処理剤の原単位を整備する必要があること,さらにはPSの具体的な処理法を想定したPCRを作る必要があること等の課題が明らかとなった。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 69 (8), 872-878, 2015

    紙パルプ技術協会

参考文献 (9)*注記

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