小中高時代のいじめ経験が大学生の自尊感情とWell-Beingに与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of Having Been Bullied in Elementary, Junior High, and High School on University Students’ Self-Esteem and Well-Being
  • ショウナカダカ ジダイ ノ イジメ ケイケン ガ ダイガクセイ ノ ジソン カンジョウ ト Well-Being ニ アタエル エイキョウ

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抄録

いじめ被害経験は心身状態に長期的な影響を及ぼす。従来の研究は, 子どもの頃のいじめ被害経験が後年における自尊感情や特性不安, 抑鬱, 孤独などに影響を与えることを示している。本研究では, いじめの発生状況をとらえ, 小学校と中学校, 高等学校のうちどの時期のいじめ被害経験が大学生のWell-beingに影響を与えるか, また自尊感情を媒介したWell-beingへの影響があるのかを検討する。そこで, 自尊感情, 主観的幸福感, 特性怒り, 特性不安, 各時期にいじめられた頻度について尋ねる質問紙を用いて大学生に調査を実施した。その結果, いじめ経験の頻度は高等学校よりも小中学校で高かった。パス解析により, 中学校や高等学校の頃のいじめ被害経験が大学生のWell-beingに影響を及ぼしていることを明らかにした。また, いじめ被害経験がWell-beingに直接的にも, 自尊感情を介して間接的にも影響を与えていることを見出した。これらの結果はいじめ被害経験が長期的に心的状態に影響を及ぼすことを支持するものである。

収録刊行物

  • 教育心理学研究

    教育心理学研究 63 (2), 102-110, 2015

    一般社団法人 日本教育心理学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (4)*注記

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