Fishery trends and biological characteristics of chub mackerel (Scomber japonicus) and spotted mackerel (Scomber australasicus) in the coastal water off Miyagi Prefecture

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  • 宮城県におけるマサバ,ゴマサバの漁獲動向と生物特性
  • ミヤギケン ニ オケル マサバ,ゴマサバ ノ ギョカク ドウコウ ト セイブツ トクセイ

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(1) 1953年以降の宮城県におけるさば類の漁獲動向を取りまとめた。沖合で操業するまき網や調査船ではマサバ主体,本県沿岸で操業する定置網や底びき網ではゴマサバ主体に漁獲されていた。近年の定置網に入網するさば類の漁獲動向と江島定地水温との関係について考察し,マサバは北上期には7.2℃~13.6℃の水温帯,南下期は8.6℃~10.8℃の水温帯,ゴマサバは北上期には8.6℃~13.6℃の水温帯,南下期は10.8℃~12.9℃の水温帯で来遊することが示された。また,ゴマサバは過去の知見よりも来遊量が増えていることが示された。(2) 2012年~2014年に漁獲されたマサバ,ゴマサバの体長組成,年齢組成について分析した。マサバについては,2012年~2013年には1~3歳魚主体に4歳魚が漁獲されていたが,2014年は卓越年級群の2013年級群(1歳魚)と2歳魚主体が水揚され,過去2年より漁獲物は若齢化した。一方,ゴマサバは2012年~2013年は1~3歳魚が主体となって漁獲され,大きな変化は見られなかった。(3) 成熟度は,マサバでは5~7月に高く,本県沿岸域で産卵していることが示唆された。一方,ゴマサバでは,成熟度の高い個体が6~7月にわずかに見られるものの,ほとんどが低く,本県へは索餌回遊のために来遊していることが示された。(4) 6月の本県のさば類水揚量の情報から,9月以降の秋さばの水揚量を予測できる可能性が示され,更なる予測精度の向上のためには,来遊資源の質的な特性も今後検討する必要がある。(5) 本県のさば類漁獲物から得られる生物モニタリングデータは,マサバ太平洋系群及びゴマサバ太平洋系群の資源動向を反映するものであり,有益な情報を得ることができることから,今後も調査の継続とデータの蓄積が必要であるとともに,社会の変化に対応したリアルタイムな情報の提供体制を充実する必要がある。

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