シスプラチン使用後に塩類喪失性腎症による著しい低ナトリウム血症を来した中咽頭癌症例

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タイトル別名
  • A Case of Severe Hyponatremia Caused by Renal Salt Wasting Syndrome in Oropharyngeal Cancer
  • 症例報告 シスプラチン使用後に塩類喪失性腎症による著しい低ナトリウム血症を来した中咽頭癌症例
  • ショウレイ ホウコク シスプラチン シヨウ ゴ ニ エンルイ ソウシツセイジンショウ ニ ヨル イチジルシイ テイナトリウム ケツショウ オ キタシタ チュウイントウ ガン ショウレイ

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抄録

癌治療において低ナトリウム血症はしばしば遭遇する電解質異常である. 今回われわれは, 中咽頭癌進行症例に対してシスプラチン (CDDP) 同時併用放射線治療を行い, 計3回の grade 4 の低ナトリウム血症を経験したので報告する. 初回および2回目の低ナトリウム血症は CDDP 投与後に出現し, 脱水と多尿を伴い, 輸液と塩分の補充により1週間程度で改善した. ナトリウムの排泄過剰の所見から塩類喪失性腎症が原因であると考えられた. 3回目の低ナトリウム血症の原因であった抗利尿ホルモン不適合分泌との比較から, 細胞外液量とナトリウムバランスの評価が低ナトリウム血症の鑑別と適切な治療において極めて重要であると考えられた.

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