2009〜2014年に岡山県で流行した牛ボツリヌス症の解析と対策

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タイトル別名
  • Epidemiological Analysis and Countermeasures Against Bovine Botulism in Okayama, Japan, 2009‐2014
  • 2009~2014ネン ニ オカヤマケン デ リュウコウ シタ ギュウ ボツリヌスショウ ノ カイセキ ト タイサク

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抄録

岡山県では,2009年1月〜2014年3月の間,牛ボツリヌス症(D型)が11農場で発生した.糞便からボツリヌス毒素が検出された11農場から採取した環境材料(飼料,水,牛舎スワブ,野生動物糞便)のうち,野生動物糞便からの検出率が8農場中4農場と最も高率であった.11農場中2農場で,D/Cモザイク型のC. botulinumが分離され,パルスフィールドゲル電気泳動解析の結果,これらの菌株は同一の泳動パターンを示した.発生農場のうち,9戸が直径20kmの範囲内に位置し,菌株が分離された2戸の農場は,疫学的関連がなかった.ボツリヌスワクチン導入農場において,ワクチン未接種牛で本症が発生し,環境材料から高率にボツリヌス毒素が検出された.以上のことから,C. botulinumの伝播には野生動物が関与していることが示唆された.ワクチン接種は本症の発症抑制に効果的であるが,C. botulinumの排菌は抑制しない.C. botulinumの拡散防止のためには,農場内の清掃及び消毒の徹底と,野生動物の侵入防止措置などの清浄化対策が最も重要である.

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