テクストという名の戦場

• 五味渕 典嗣

  大妻女子大学

書誌事項

タイトル別名

• The Verbal Battleground: Saryan Kim's Linguistic Tactics in <i>Kyōshū</i>
• テクストという名の戦場 : 金史良『郷愁』の言語戦略
• テクスト ト イウ ナ ノ センジョウ : キンシ リョウ 『 キョウシュウ 』 ノ ゲンゴ センリャク
• ――金史良『郷愁』の言語戦略――

抄録

金史良の日本語小説『郷愁』（一九四一）は、日中戦争期の〈内地〉メディアにおける朝鮮人認識の無知と無関心に抗おうとした作である。日中戦争には相当数の朝鮮人が参加し／させられていたが、〈内地〉での戦争の語りは、そうした朝鮮人たちを描く場合でも画一的な表象しか与えなかった。そんななかで『郷愁』は、屈折を抱えながら戦争にかかわっていく朝鮮人たちの複数の軌跡を書き込みながら、帝国の戦争に同調も同一化もできない、抑圧された者の側に立とうとする姿勢を定立してみせたのである。

収録刊行物

• 日本文学

  日本文学 64 (11), 44-53, 2015-11-10

  日本文学協会

詳細情報

• CRID: 1391693801404553344
• NII論文ID: 130007949878
• NII書誌ID: AN00197092
• DOI: 10.20620/nihonbungaku.64.11_44
• ISSN: 24241202
• ISSN: 03869903
• NDL書誌ID: 026857108
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I026857108
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可