成人T細胞白血病/リンパ腫におけるトリプトファン代謝の予後に関する意義

書誌事項

タイトル別名
  • Prognostic significance of tryptophan catabolism in adult T-cell leukemia/lymphoma
  • セイジン Tサイボウ ハッケツビョウ/リンパシュ ニ オケル トリプトファン タイシャ ノ ヨゴ ニ カンスル イギ

この論文をさがす

抄録

Indoleamine 2,3-dioxygenase 1 (IDO1: IDO)はトリプトファン(Trp)をキヌレニン(Kyn)に異化する経路の酵素で,抗腫瘍免疫応答を抑制する腫瘍微小環境内の重要な因子の一つである。本研究では成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATL)においてATL細胞および腫瘍微小環境中の細胞がIDOを産生し,腫瘍微小環境のみならず血液中においてもKyn/Trp比およびKyn濃度の上昇をもたらし,血清Kyn/Trp比およびKyn濃度高値はATLにおける独立した予後不良因子であることを明らかにした。このように血清中のKynおよびTrp濃度の測定は,個々のATL患者の予後を予測するために有用である。さらにIDOは現在,さまざまながん種においてがん免疫療法の有望な標的と考えられている。本研究はATLにおいてもIDOが新規がん免疫療法の標的分子として有望であることを示すものである。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (11), 2295-2304, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ