岩野泡鳴、「デカダン」の尖鋭性

書誌事項

タイトル別名
  • Hōmei Iwano's Radical Concept of Decadence: <i>Shin-sizen-shugi</i>, Representations, and Lev Shestov's Philosophy of Despair
  • 岩野泡鳴、「デカダン」の尖鋭性 : 『新自然主義』・表象(シムボル)・シェストフ的不安
  • イワノ アワメイ 、 「 デカダン 」 ノ センエイセイ : 『 シン シゼン シュギ 』 ・ ヒョウショウ(シムボル)・ シェストフテキ フアン
  • ―― 『新自然主義』・表象・シェストフ的不安 ――

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抄録

<p>岩野泡鳴が『新自然主義』を中心とした諸評論で唱える「デカダン」概念の、同時代における尖鋭性と、それが昭和一〇年前後、文壇で評価される理由を明らかにした。諸規範との相克のなかで、あらゆる二元論の破砕を企てる泡鳴の営為とは、最もラディカルな「デカダン」として位置付けられる。また、彼は「デカダン」=「耽溺」を運動の位相において把捉することで、流動的な「自我」を「刹那」の連続として表す「表象」体系を構築しようとしていた。この泡鳴の理論は、「シェストフ的不安」が瀰漫する危機の時代において、ニヒリズムを越える力動性として召喚される必然性を持つものであった。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 64 (12), 25-37, 2015-12-10

    日本文学協会

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