種々の核酸によるヒトミエロイド系樹状細胞から産生されるcytokineの検討

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タイトル別名
  • Interferon-α is induced by double-stranded DNA in human myeloid dendritic cells
  • シュジュ ノ カクサン ニ ヨル ヒトミエロイドケイジュジョウ サイボウ カラ サンセイ サレル cytokine ノ ケントウ

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抄録

ウィルス感染において生体内では各種の一重鎖および二重鎖核酸(dsDNA,ssRNAなど)が生じる.これらに対し,樹状細胞は自然免疫の中で各々異なる反応をして異なるサイトカインを産生する事によって免疫応答を惹起していると考えられる.また免疫監視機構の中枢に位置し抗原提示細胞として種々のエフェクター細胞を制御する樹状細胞は,様々な炎症性疾患の病態発症起点ならびにその進展に重要な役割を果たすことが判明してきており,自己DNAの放出をヒト樹状細胞亜群が,自身の発現するToll様受容体9によって検知し,I型インターフェロンの異常産生亢進が認められる.この現象が自己免疫疾患の病態発症とその進展に寄与しているとされている.このように,樹状細胞はこれら感染や自己免疫疾患における治療のターゲットになり得ると考えられるが,現在までのところ,ヒト樹状細胞と各種自己核酸(DNAとRNA)の反応メカニズムを一元的に比較検討した報告は存在しない.そこで細胞内レセプターのリガンドである核酸に種々の核酸導入試薬を添加し,ヒト樹状細胞亜群に対する影響を比較検討した.この検討はウィルス感染や自己免疫疾患の機序解明に重要と考えられる.そしてこの成果は今後,樹状細胞をターゲットとした難治性炎症性疾患の治療への発展が期待される.

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