日本外傷学会腎損傷分類2008(JAST分類2008)に基づいた鈍的腎外傷207例の初期治療選択因子の検討

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  • PREDICTIVE FACTORS OF THE INITIAL TREATMENT FOR 207 BLUNT RENAL TRAUMA CASES BASED ON THE CLASSIFICATION FOR RENAL INJURY OF JAPANESE ASSOCIATION FOR THE SURGERY OF TRAUMA 2008's VERSION
  • ニホン ガイショウ ガッカイジンソンショウ ブンルイ 2008(JAST ブンルイ 2008)ニ モトズイタ ドンテキジンガイショウ 207レイ ノ ショキ チリョウ センタク インシ ノ ケントウ

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抄録

<p> (目的) 鈍的腎外傷207例の初期治療を予測する因子について,日本外傷学会腎損傷分類2008(JAST分類2008)を用いて検討した.</p><p> (対象と方法) 鈍的腎外傷207例(1982年6月~2013年3月)を対象とした.初期治療法により保存的治療群,経カテーテル動脈塞栓術(TAE)群と腎摘除術群に分類し,初期治療の予測因子としてJAST分類2008による腎実質損傷分類,腎周囲血腫(H因子),尿漏(U因子),初診時ショック・腹部他臓器合併損傷・肉眼的血尿の有無,血清ヘモグロビン値を検討した.</p><p> (結果) 即時腎摘除術を予測する有意な因子は,III型およびPV,H2,合併損傷有だった(p=0.001,p=0.000,p=0.003).TAEを予測する有意な因子は,III型およびPV(p=0.031),H2(p=0.001)だった.III型損傷症例に限ると,即時腎摘除術を予測する有意な因子はH2,U2(p=0.024,p=0.047)だった.II型及びI型損傷ではH2が即時TAEを予測する有意な因子だった(p=0.040).</p><p> (結論) 鈍的腎外傷の初期治療選択にJAST分類2008の損傷型分類と血腫因子の評価は有用だった.III型損傷でH2とU2を有する症例は即時腎摘除術の,II型またはI型損傷でH2を有する症例はTAEの適応となる可能性が示唆された.</p>

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