膀胱小細胞癌に対するアムルビシン治療経験例

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タイトル別名
  • METASTATIC SMALL CELL CARCINOMA OF THE URINARY BLADDER TREATED WITH SYSTEMIC CHEMOTHERAPY INCLUDING AN AMRUBICIN; A CASE REPORT
  • 症例報告 膀胱小細胞癌に対するアムルビシン治療経験例
  • ショウレイ ホウコク ボウコウ ショウサイボウガン ニ タイスル アムルビシン チリョウ ケイケンレイ

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抄録

<p>遠隔転移を有する膀胱小細胞癌は化学療法による治療を中心とした報告例が散見されるが,いまだ確立した治療方法はない.今回我々はアントラサイクリン系抗癌剤であるアムルビシンを含む全身化学療法を行った遠隔転移を有する膀胱小細胞癌の症例を経験したので報告する.症例は59歳男性で,肉眼的血尿を主訴に当科を受診した.膀胱鏡で膀胱後壁に非乳頭型広基性腫瘍を認め,尿細胞診で神経内分泌性悪性腫瘍細胞の集塊を認めた.造影CT検査で,両側水腎症と傍大動脈リンパ節などへの転移を認めた.経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行し,病理診断は膀胱原発の小細胞癌で,臨床病期はT2N3M1,LYMのstageIVであった.小細胞肺癌のレジメンに準拠し一次治療ではシスプラチンとエトポシドを併用したPE療法を2コース行い,二次治療ではシスプラチンとイリノテカンを併用したPI療法を2コース行った.評価病変の増悪を認めたため,三次治療としてアムルビシン療法と原発巣に対する放射線療法を施行し,血清NSE(neuron-specific enolase)値の減少を認めたが,病勢の進行により緩和医療を行い初診後11カ月目に癌死した.</p>

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