統合失調症のキヌレン酸仮説

  • 植村 富彦
    医療法人財団緑雲会 多摩病院 公益財団法人東京都医学総合研究所 うつ病プロジェクト
  • 楯林 義孝
    公益財団法人東京都医学総合研究所 うつ病プロジェクト
  • 持田 政彦
    医療法人財団緑雲会 多摩病院

書誌事項

タイトル別名
  • Schizophrenia and the Kynurenic Acid Hypothesis
  • トウゴウ シッチョウショウ ノ キヌレンサン カセツ

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抄録

統合失調症の病態仮説として,神経細胞を中心としたドーパミン仮説,グルタミン酸仮説などが従来提唱されてきたが,その本質はまだよくわかっていない。本総説ではトリプトファン代謝経路上の分岐点に位置するキヌレニン(KYN)を水酸化する反応律速酵素,キヌレニン 3-モノオキシゲナーゼ(KMO)のミクログリアにおける活性低下およびアストロサイトにおけるキヌレン酸(KYNA)産生増加による認知機能低下の可能性,すなわち,「統合失調症の KYNA 仮説」を中心に紹介する。統合失調症における慢性炎症,さらにはアストロサイトも含む神経-グリア関連にも言及し,今後の創薬の可能性について議論したい。

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