バラ,カーネーションおよびトルコギキョウの花弁表皮細胞の観察

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タイトル別名
  • Observation of petal epidermal cells shape in rose, carnation, and lisianthus
  • バラ,カーネーション オヨビ トルコギキョウ ノ ハナビラ ヒョウヒ サイボウ ノ カンサツ

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抄録

花の色は,色素だけではなく花弁表皮細胞の光の反射および屈折により生じる色調・質感の違いによっても決定されている。我々は,代表的な花き3品目(バラ,カーネーション,トルコギキョウ)の花色の異なる数品種を用いて花弁表皮細胞の形態を調査した。バラの向軸側花弁の上部では円錐状細胞が観察され,カーネーションの向軸側花弁の上部では2種類のドーム状細胞が観察された。一方,トルコギキョウの向軸側花弁の上部では,円錐状細胞とドーム状細胞からなる品種,ドーム状細胞のみからなる品種,円錐状細胞のみからなる品種,平面状細胞からなる品種が存在していた。さらに,バラとトルコギキョウのいくつかの品種では花弁表皮細胞表面に筋状の微細構造が確認されたが,カーネーションでは確認できなかった。これらの結果は,カーネーションの花色は花弁表皮細胞の形が均質なことから花色素の組成によって主に決定されており,バラとトルコギキョウの花色は,花色素の組成だけではなく花弁表皮細胞の形や表面構造によっても決定されている事を示唆している。

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