北関東地域の地ビール企業における地場産原料の使用状況とその背景 : 株式会社ファーマーズ・フォレストの事例を中心に

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  • Current usage of locally produced material and the background of a local beer company in the north Kanto region : Case study of the Farmers Forest Company limited
  • キタカントウ チイキ ノ チ ビール キギョウ ニ オケル ジバサン ゲンリョウ ノ シヨウ ジョウキョウ ト ソノ ハイケイ : カブシキ ガイシャ ファーマーズ ・ フォレスト ノ ジレイ オ チュウシン ニ

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抄録

本研究では，わが国で販売される地ビールにおいて，商品名から製造している地域が特定できる状況かを検証したうえで，主原料の麦芽を中心に北関東地域の地ビール企業の地場産原料の使用状況を把握するとともに，その実態の背景を事例分析から明らかにすることを目的とする。そして，その結果を踏まえて，農商工連携における農分野で地ビール向けの原料を生産することの可能性を検討する。わが国で販売される地ビールは，商品名において概ね地域を特定できる実態にあるものの，主原料である麦芽については日本有数の大麦の産地である北関東地域の地ビール企業でさえもほとんど使用していない実態にあることが明らかとなった。この要因について，地場産と海外産の両方の麦芽を使用している事例企業を対象に調査したところ，地場産麦芽の場合，海外産とは異なり，限定的な品揃え，少数かつ不安定な調達量という要因が存在していた。このように，強い農業の創造に向けた農商工連携の観点から地ビール向けの原料供給を行うことの可能性は，現状においてそれほど大きくないと判断される。

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 (122), 1-9, 2016-03

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

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