大量出血を来した3例の小腸原発濾胞性リンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Primary gastrointestinal follicular lymphoma of the small intestine with massive hemorrhage: a report of three cases
  • 症例報告 第2回日本血液学会関東甲信越地方会 優秀演題 大量出血を来した3例の小腸原発濾胞性リンパ腫
  • ショウレイ ホウコク ダイ2カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ユウシュウ エンダイ タイリョウ シュッケツ オ キタシタ 3レイ ノ ショウチョウ ゲンパツ ロホウセイ リンパシュ

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抄録

消化管原発の濾胞性リンパ腫(FL)は,主に十二指腸で偶然発見される事が多い。節性FLと同様にindolentな経過をたどり,症状がなければ無治療観察も可能とされている。今回我々は内視鏡所見で潰瘍性病変を認め,大量出血を来した小腸原発FLを3例経験したので報告する。症例は,68歳男性,63歳女性,54歳男性の3例。いずれも大量下血のため救急搬送され,輸血を受けた。上部・下部消化管に出血源はなく,小腸内視鏡で小腸に潰瘍性病変が認められ,病理学的にFLと診断された。Lugano分類はそれぞれstage I, II-1, II-1であった。2例はrituximab単独療法で寛解を得た。1例は服用していた抗血小板薬を中止し,経過観察中である。近年,内視鏡技術の進歩により小腸病変の診断が可能となった。小腸原発FLの内視鏡所見は白色顆粒状病変が特徴的であるが,今回のように潰瘍性変化を伴う病変が一部にあり,注意を要する。今後は,小腸内視鏡の適応範囲,および標準治療の確立が課題である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (3), 353-358, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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