カシューナッツ殻液給与および肥育初期の濃厚飼料増給が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of cashew nut shell liquid and increase in concentrate during early fattening period on growth, carcass characteristics in Japanese Black steers
  • カシューナッツカクエキ キュウヨ オヨビ ヒイク ショキ ノ ノウコウ シリョウ ゾウキュウ ガ クロゲワシュ キョセイギュウ ノ サンニクセイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

カシューナッツ殻液(CNSL)給与および肥育初期の濃厚飼料増給が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響について検討した。9か月齢の黒毛和種去勢牛20頭を用いて,慣例肥育する区(1区),肥育前期(9~14か月齢)にCNSLを給与する区(2区),肥育全期(9~30か月齢)にCNSLを給与する区(3区),肥育初期(9~10か月齢)に濃厚飼料を増給する区(4区)の4区を設け,それぞれ5頭ずつ配置した。CNSLの給与量は日量50gとし,濃厚飼料の増給量は慣例肥育の給与量に日量500gを追加した。1 濃厚飼料摂取量は肥育前期に4区が他の区に比べて有意に多くなった。粗飼料摂取量は各区間で有意な差は認められなかった。2 試験終了時の体重および枝肉重量は4区が2区,3区より大きい傾向を示し,1区よりも有意に大きくなった。3 脂肪交雑は各区間に有意な差は認められなかった。4 試験期間中の肝機能障害に対する治療回数は2および3区が少なく,と畜時の内臓所見においても,2および3区には肝臓疾患は認められなかった。以上のことから,黒毛和種去勢牛へのCNSL給与は,産肉性への大きな影響は認められないものの,肝臓疾患に対する予防効果が期待できる。また,肥育初期の濃厚飼料の増給は増体性を改善させる可能性が考えられる。

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