併存する食道がんに対する放射線治療後に寛解に至った後天性血友病

書誌事項

タイトル別名
  • Remission of acquired hemophilia A following radiation therapy for esophageal cancer
  • 症例報告 併存する食道がんに対する放射線治療後に寛解に至った後天性血友病
  • ショウレイ ホウコク ヘイソン スル ショクドウ ガン ニ タイスル ホウシャセン チリョウ ゴ ニ カンカイ ニ イタッタ コウテンセイ ケツユウビョウ

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抄録

後天性血友病A (AHA)の基礎疾患として悪性腫瘍は代表的である。しかし放射線によるがん治療をAHAに対する免疫抑制療法と並行して行った報告は検索範囲で見当たらない。症例は70代男性。2015年3月左腎細胞がん摘出後,7月食道がん合併が判明。10月初旬に右大腿血腫を発症し,当院転院。凝固第VIII因子(FVIII)活性0.9%, FVIII inhibitor 21.8 BU/mlでAHAと診断した。プレドニゾロンで免疫抑制療法を開始したが,経過中に病勢が再燃したため,day26より基礎疾患治療として限局期の食道がんに対して放射線照射を開始した。その結果プレドニゾロン減量にもかかわらず,inhibitorが速やかに減少し,day53に寛解となった。本症例は,がんに併発した急性期のAHAに対し,低侵襲ながん治療としての放射線照射が有用であった可能性を示唆する症例である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (4), 451-455, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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