西南日本内帯,広島付近を横断する後期白亜紀—古第三紀花崗岩類の地球化学的性質の南北変化

  • 石原 舜三
    AIST, Geological Survey of Japan, Research Institute of Geology and Geoinformation
  • 大野 哲二
    AIST, Geological Survey of Japan, Research Institute for Georesources and Environment

書誌事項

タイトル別名
  • Geochemical variation of the Late Cretaceous-Paleogene granitoids across the Ehime-Hiroshima-Shimane transect, Japan

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抄録

標記地域の花崗岩類分布域は南から領家帯・山陽帯・山陰帯に分けられる.領家帯では花崗岩のほか花崗閃緑岩が分布するが,山陽帯と山陰帯では少量の斑れい岩–閃緑岩を伴うものの主体は花崗岩である.全岩帯磁率は山陰帯で最も高く,南方に低くチタン鉄鉱系の値となり,領家帯で最少となる.ジルコンU-Pb 年代は,領家帯が最も古く97.8~95.3 Ma,山陽帯が92.3~85.6 Ma,山陰帯が39.8 ~33.5 Maである.化学組成上はNa2O/K2O が山陰帯の花崗岩類で最も大きく,領家帯の岩石で最も小さい.これは火成岩起源で同比が大きく堆積岩起源で同比が小さい起源物質の性質を反映しているものと思われる.アルミナ飽和指数は1.0 は超えるが,1.1 を超えるSタイプは存在しない.カリ長石のKを置換するRbとPb は山陰帯で最も乏しく,領家帯とその北縁の山陽帯で富んでいる.この傾向はδ18O の傾向と同様であって,そのマグマの生成に堆積岩地殻物質が関与したことを示している.

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