シャットダウン時における活性汚泥養生運転方法と臭気対策

  • 林 賢治
    無臭元工業株式会社 水環境ソリューション部

書誌事項

タイトル別名
  • The Technique of Curing Activated Sludge Treatment System and Odor Control during Shutdown
  • シャットダウンジ ニ オケル カッセイ オデイ ヨウジョウ ウンテン ホウホウ ト シュウキ タイサク

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抄録

<p>活性汚泥養生運転の目的は,シャットダウンにともなうイレギュラーな環境下で,極力機能低下を抑え,立上げ後の水質劣化やトラブルを回避する点にある。そのためには,負荷推移を予測し,機能低下の最も抑えられる運転を事前に計画するとともに,実際の推移をチェックし,設定切り替えのタイミングや設定内容に適宜修正を加える必要がある。</p><p>マシンや原質のシャットダウン計画をもとに,活性汚泥処理プロセスへの流入負荷推移を予測し,①残負荷処理期間,②無負荷養生期間,③立上げ準備期間,④立上げ期間,の4期間のそれぞれについて,栄養剤添加,曝気,返送汚泥,余剰汚泥等に関する運転方法を設定する。</p><p>シャットダウンに関連して起きやすい臭気トラブルに対する臭気対策内容は,①間欠曝気時の腐敗対策(運転切り替えのタイミングや運転設定を修正することで腐敗進行を避ける。また,曝気槽に直接添加可能な消臭剤を事前に準備し,曝気再開時等,必要なタイミングで投入する),②ペーパースラッジ積置き対策(積置き対象となる焼却停止後に脱水される汚泥スラリーに対し,事前に効果の確認された消臭剤を,積み置き期間に応じて持続性が得られる添加率でライン注入する),③脱水再稼働時における脱水機周辺の臭気対策(ペーパースラッジの積置き対策と同様,汚泥スラリーに対し,消臭剤を脱水時の臭気抑制が可能となる添加率でライン注入する),④滞留原料の臭気対策(あらかじめ停止するタイミングで,滞留する原料に専用の臭気対策薬剤を添加しておくことで,滞留時の腐敗抑制と発生臭気の除去を図り,抄出し時の臭気トラブルを回避する)である。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 70 (12), 1224-1227, 2016

    紙パルプ技術協会

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