生物応答を利用した排水管理

  • 澤井 淳
    いであ株式会社 環境創造研究所 環境リスク研究センター リスク評価部

書誌事項

タイトル別名
  • Effluent Management with Bioassay
  • 生物応答を利用した排水管理 : 試験機関の現場から
  • セイブツ オウトウ オ リヨウ シタ ハイスイ カンリ : シケン キカン ノ ゲンバ カラ
  • ―試験機関の現場から―
  • -from a Perspective of the Test Facility-

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抄録

<p>環境省において生物応答を利用した新たな排水管理手法の導入が2010年から検討されている。2016年からは産業界から選任された委員も加わり,生物応答を利用した排水管理の在り方について検討が続けられ,自主管理制度としての導入が考えられている。</p><p>生物応答試験は,魚類胚期仔魚期短期毒性試験,ミジンコ繁殖試験,藻類生長阻害試験が検討されている。</p><p>現在,自主的に取組んでいる企業はいずれも大手であり,生物多様性保全への取組として実施している。業種としては,製薬,化学,機械,非鉄金属製造等である。</p><p>化学物質管理の自主管理制度であるPRTR制度の事例から,生物応答手法による排水管理についても,既存の枠組みを活用した規制対応ができ,結果としてコスト削減や社会へのアピールが可能となるような制度づくりが期待される。</p><p>試験機関が抱える課題としては,試験生物の飼育管理,試験実施コスト,試験の精度管理などがある。今後,生物応答手法を排水管理に使用する事業場が増えることを考えると,より多くの試験機関が必要である。ただし,試験の精度が一定の水準以上となる試験機関の整備が重要である。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 70 (12), 1252-1257, 2016

    紙パルプ技術協会

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