18年後に気管孔を閉鎖できた先天性両側声帯麻痺正中位固定例

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タイトル別名
  • Idiopathic Bilateral Vocal Cord Abductor Paralysis in Infants: A Case Report
  • 症例 18年後に気管孔を閉鎖できた先天性両側声帯麻痺正中位固定例
  • ショウレイ 18ネンゴ ニ キカンコウ オ ヘイサ デキタ センテンセイ リョウガワ セイタイ マヒ セイチュウイ コテイレイ

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抄録

<p>著者らは18年後に気管孔閉鎖に成功した稀な先天性特発性両側声帯麻痺正中位固定例を報告する。患者は生直後よりチアノーゼおよび両側声帯麻痺 (正中位固定) が認められ,生後4カ月で全身麻酔下に気管切開術 (開窓術) を受けた。当初は上気道炎,肺炎,腎疾患で小児科入院を繰り返し,この間,スピーチカニューレを使用し続けた。9歳時にテープによる気管孔縮小を試みた。以後はカニューレなしとなった。11歳時に気管孔部分閉鎖術を局所麻酔下に行い気管孔はさらに縮小し,2×4 mm大の小瘻孔となった。18歳に達した時点で,入院の上,オプサイト&絶縁テープで気管孔を一時的に完全閉鎖し,血液ガス分析,SpO2,フローボリューム検査などで呼吸機能を評価した。運動負荷も行った結果,概ね呼吸機能に問題がなく気管孔閉鎖可能と判断された。気管孔閉鎖術を局所麻酔下に実施した。気管孔左右からヒンジフラップをおこし正中で縫合し,皮弁を頭側と尾側から寄せて被覆した。術後呼吸困難はなく,SpO2および血液ガス分析にて著変なく退院となった。術後1年1カ月後の現在経過良好である。</p>

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参考文献 (11)*注記

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