本態性血小板血症における<i>MPL</i> W515L/K 遺伝子変異検出法の比較検討

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  • Comparison of the amplification refractory mutation system, an allele-specific polymerase chain reaction, and a melting curve assay for detecting <i>MPL</i> W515L/K mutations in essential thrombocytosis
  • 本態性血小板血症におけるMPL W515L/K遺伝子変異検出法の比較検討
  • ホンタイセイ ケッショウバン ケツショウ ニ オケル MPL W515L/K イデンシ ヘンイ ケンシュツホウ ノ ヒカク ケントウ

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抄録

背景と目的: 本態性血小板血症(essential thrombocytosis; ET) の3~5%にはMPL 遺伝子のW515L/K変異が認めら れる.今回我々は,同変異の検出法として,amplification refractory mutation system (ARMS)法,allele-specific PCR (AS-PCR)法およびmelting curve (MC)法の3法を比較検討した.<br>対象症例: 当院で診療したET症例のうち,JAK2 V617F変異およびCALR frame-shift変異陰性の12例を対象とした..<br>結果: 解析したET症例12例のうち2例(症例P1,症例P2)でMPL遺伝子変異が検出された.症例P1は3法全てが陽性であったが,症例P2はAS-PCR法とMC法が陽性,ARMS法は陰性であった.PCR産物をダイレクトシークエンスしたところ,P1, P2 症例とも,515番目のコドンTGG がTTGに変異するW515L変異であった.3法のW515L変異の検出感度は,ARMS法20%,AS-PCR法3%,MC法5%であった..<br>考察と結論: ARMS法では,PCRプライマーが競合するため,変異アリルの検出感度が低下する可能性が示唆さ れた.MPL W515変異を効率よく検出するためには,野生型プローブを用いることによってMPL W515変異を広く検出するMC法をスクリーニング検査に,変異特異的なAS-PCR法とダイレクトシークエンスを確認検査として実施することが有用であると考えられた.

収録刊行物

  • Tenri Medical Bulletin

    Tenri Medical Bulletin 19 (1), 51-57, 2016

    公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所

参考文献 (6)*注記

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