ヨーネ病が牛飼養農場に与える損失の評価

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タイトル別名
  • Evaluation of the production losses in daily and beef herd with paratuberculosis infection
  • ヨーネビョウ ガ ギュウ シヨウ ノウジョウ ニ アタエル ソンシツ ノ ヒョウカ

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抄録

ヨーネ病が牛飼養農場の生産性に与える損失をリアルタイムPCR検査の結果に基づき調査した。糞便中ヨーネ菌DNA量が検出限界未満,1.0pg/well未満および以上の牛をそれぞれ陰性牛,低度および高度排菌牛とした。ホルスタイン種牛(ホル)219頭および黒毛和種牛(黒毛)116頭の乳量,体細胞リニアスコア,年間分娩回数および体重を調査し,混合効果モデルにより各生産性指標と排菌量を比較した。ホルにおいて,高度排菌牛の乳量は陰性牛に対して13%少なかった。黒毛では年間分娩回数が陰性牛に対して高度排菌牛で22%少なく,体重が陰性牛に対して低度および高度排菌牛でそれぞれ7.2%および19%少なかった。次いで,罹患牛を摘発・淘汰しない場合のヨーネ病有病率をCollins-Morganモデルにより推定した。モデルに用いたパラメータはホルおよび黒毛飼養農場各6農場の疫学調査成績を基に設定した。定常化後の低度および高度排菌牛の有病率は,ホル飼養農場でそれぞれ69%および12%,黒毛飼養農場でそれぞれ67%および17%と推定された。ヨーネ病有病率が定常化した農場は,ヨーネ病非浸潤農場に対してホル飼養農場では乳量が1.6%少なく,黒毛飼養農場では年間分娩回数および体重がそれぞれ3.8%および8.0%少ないと推定された。

収録刊行物

  • 家畜衛生学雑誌

    家畜衛生学雑誌 42 (4), 173-180, 2017-02

    武蔵野 : 日本家畜衛生学会

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