<論文>第二言語としての日本語使用者同士のカテゴリー化実践 : 第三者言語接触場面の対称的なやりとりに注目して

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タイトル別名
  • <Article>Categorizing Practice between L2 Users in Japanese Conversations : Focusing on Symmetrical Interaction in Third-Party Language Contact Situations
  • 第二言語としての日本語使用者同士のカテゴリー化実践 : 第三者言語接触場面の対称的なやりとりに注目して
  • ダイニゴンゴ ト シテ ノ ニホンゴ シヨウシャ ドウシ ノ カテゴリーカ ジッセン : ダイサンシャ ゲンゴ セッショク バメン ノ タイショウテキ ナ ヤリトリ ニ チュウモク シテ

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抄録

本稿は、第二言語としての日本語使用者同士の日本語会話における対称的なやりとりに焦点を当て、参加者が自分や相手をどのように捉え、どのようにやりとりを継続しているかを論じる。対称的なやりとりとは、参加者同士が自発的な意見や情報の述べ合いを双方向的に行う発話連鎖を指し、母語話者と非母語話者の会話において目指されるやりとりでもある。分析データは、日頃から第二言語としての日本語で会話をする友人同士のペア、13組の約13時間に渡る日常会話資料である。会話データから対称的なやりとりを抽出し、参加者がどのようなカテゴリーに属して発話し、どのように相互行為が続いていくのかを、成員カテゴリー化分析(Sacks 1972)によって分析した。その結果、発話連鎖の中で基盤化された理解を元に、①参加者同士が同じカテゴリーにカテゴリー化される、②参加者同士がそれぞれ異なるカテゴリーにカテゴリー化される、③「韓国人」「中国人」などの「出身国人」カテゴリー対と『外国人』カテゴリー集合が現れることによって、対称的なやりとりが継続していることが明らかになった。これらの結果から、日本語教育現場において問題になる母語話者と非母語話者の非対称性を変革するための示唆を得た。

収録刊行物

  • 国際日本研究

    国際日本研究 9 83-105, 2017-02

    筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻

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