卵巣膿瘍を合併した虫垂炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of an Ovarian Abscess Caused by Appendicitis
  • 症例 卵巣膿瘍を合併した虫垂炎の1例
  • ショウレイ ランソウ ノウヨウ オ ガッペイ シタ チュウスイエン ノ 1レイ

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抄録

症例は34歳,女性.2週間前から下腹部痛と37度台の発熱を認めていた.発熱と下腹部痛の増悪を主訴に当院救急外来を受診した.既往歴は特になく,性交渉歴もなかった.腹部造影CTで虫垂炎,腹腔内膿瘍と診断し,精査加療目的に入院した.入院翌日の骨盤部MRIで右卵巣膿瘍と診断し,婦人科と合同で開腹手術を施行した.卵巣膿瘍は穿孔しており,骨盤内に少量の膿性腹水を認めた.虫垂には炎症所見を認め,先端は卵巣膿瘍壁に固着していた.虫垂炎,卵巣膿瘍穿孔と診断し,右付属器摘出術と虫垂切除術を施行した.術後7日目に合併症なく退院した.術後病理検査では蜂窩織炎性虫垂炎および卵巣膿瘍と診断され,悪性所見は認めなかった.虫垂に線維化を認め慢性の経過が示唆されたが,卵巣膿瘍には線維化は認めず,先行した虫垂炎の炎症が波及し卵巣膿瘍を合併したものと診断した.卵巣膿瘍を合併した虫垂炎は稀であり,文献的考察を交えて報告する.

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参考文献 (2)*注記

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