プラチナボーイ蚕種の製造効率化を目指す新平衡致死系統の作出

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タイトル別名
  • Breeding of the new balanced lethal strain which aims at the increase in efficiency of PLATINA BOY eggs production in the silkworm
  • プラチナボーイ サンシュ ノ セイゾウ コウリツカ オ メザス シン ヘイコウ チシ ケイトウ ノ サクシュツ

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抄録

二つの致死遺伝子間の組換えが無視可能な染色体の調整を行い,雄のみを得るため,まず,限性黒蟻系統T(W;Z)+sch/schにsch lを導入したT(W;Z)+sch/+os sch l +l1 +l2雌を作り,この雌にos sch l1 +l2/os sch +l1 l2の遺伝子型平衡致死系統雄を交配すると,次代の黒蟻雌は致死し,赤蟻雄のみが孵化するように設定し,目的の個体が初期の段階で黒蟻変異体として簡単に検出できるように設計した。その結果,例外型黒蟻変異体は総卵数約47万粒から277頭が得られ,その中で,雄は僅かに3頭であったったが,この内の1頭は想定したようにWに転座していた+sch部分が自由なZ染色体の+os座位の近傍に繋がり,その際生じた,劣性の致死変異lxsを有する個体を見出し,これを用いて,二つの致死遺伝子間の組換えが無視可能な+sch挿入型平衡致死系統を構築した。この新しく構築した平衡致死系統雄を限性黒卵系統雌に交配し雄蚕の出現率を調べたところ,99.98%の高い確率で雄蚕が得られた。なお,限性黒卵系統を用いたのは容易に多くの個体を検定に用いることができ,雄の出現率を詳細に知ることができるためである。このことは平衡致死A系統雌を用いても同様に雄のみが得られることには変わりはないと考えられる。

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