家族内資源分配に対する出生順位・性別の影響

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タイトル別名
  • The Effect of Birth Order and Gender on Intrahousehold Resource Allocation
  • カゾク ナイ シゲン ブンパイ ニ タイスル シュッショウ ジュンイ ・ セイベツ ノ エイキョウ

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抄録

<p> 本研究の目的は、親から子どもへの資源分配に対する出生順位や性別の影響を検証することにある。これまで地位達成研究の文脈では、生得的要因である出生順位や性別によって格差が生じるメカニズムとして、家族内での親から子への不平等な資源分配を指摘するものが多かった。しかしながら、日本においては実証的研究の蓄積が少ない。そこで本研究では、経済的資源として教育投資を、関係的資源として相談の頻度をとりあげ、出生順位や性別によって金額や頻度の差がみられるかどうかを検証した。分析の結果、経済的資源の多寡についても相談の頻度についても、出生順位や性別による違いがみられた。加えて、教育投資の金額については出生順位の影響のあらわれ方が家族ごとに異なること、相談の頻度については性別の影響が家族ごとに異なることが示された。子どもが得ることのできる資源の量は、家族ごとの資源の総量による違いと、個人の生得的属性を反映した親の選択的な資源配分の双方によって規定されていると考えられる。とりわけ、出生順位の遅い子どもについては、家族が保有する資源を得にくい状況に置かれており、そのような状況は近年でも維持されていることが示唆される。</p>

収録刊行物

  • 社会学研究

    社会学研究 99 (0), 11-36, 2017-02-28

    東北社会学研究会

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