胃食道逆流症患者における, 残存する逆流症状と健康関連QOL

  • 神谷 武
    名古屋市立大学大学院医学研究科次世代医療開発学

書誌事項

タイトル別名
  • The Association between Persistent Reflux Symptoms and Health-related Quality of Life in Japanese Patients with Gastroesophageal Reflux Disease
  • イ ショクドウ ギャクリュウショウ カンジャ ニ オケル,ザンソン スル ギャクリュウ ショウジョウ ト ケンコウ カンレン QOL

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抄録

<p>プロトンポンプ阻害薬 (PPI) は, 胃食道逆流症 (GERD) 治療における第一選択薬としてその有用性は広く認められている. 一方, PPI治療にても逆流症状が残存するGERD患者も多くみられる. 私たちはGERD患者の残存する逆流症状と健康関連QOLの関係を検討した. PPI内服治療中のGERD患者を対象として, 4つの質問紙を用い治療反応性, 健康関連QOL, 睡眠障害, うつ, 不安状態の程度を評価した. PPI内服治療中GERD患者145名中69名 (47.6%) に逆流症状の残存がみられた. このPPI治療効果不十分例では, SF-8の5項目および精神的サマリースコアの有意な低値, PSQI, HADSスコアの有意な高値がみられ, 健康関連QOLの低下を認めた. GERD患者においてPPI治療にても残存する逆流症状は, 睡眠障害, うつ, 不安状態を含む精神面での健康関連QOL低下の要因と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 57 (4), 357-361, 2017

    一般社団法人 日本心身医学会

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