真実一男のリカードウ研究

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タイトル別名
  • シンジツ カズオ ノ リカードウ ケンキュウ
  • マザネ カズオ ノ リカードウ ケンキュウ
  • Kazuo Mazane on Ricardo

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抄録

真実一男(1920~2004)はリカードウ機械論研究およびリカードウ経済学の入門書で知られている。そこでのリカードウ像は,ブルジョワのイデオローグという規定が際立っている。だが真実のリカードウ研究を子細に検討するならば,それだけでは把握しえない面があることがわかる。本稿では1950年代から1980年代末までの真実の研究を取り上げ,そのリカードウ像がいかに変化してきたか考察する。その概要は次のとおりである。1950年代には長期失業理論の観点からマルクスへの橋渡しとしてリカードウが論じられたが,1960年代はスラッファの影響を受け,リカードウ体系への関心を高めるとともに,リカードウ特有の重要性が認識されるにいたる。1980年代末には,リカードウの議会活動の研究を通じて,ブルジョワ・ラディカルとの形でその進歩的性格が見いだされるようになる。

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