保健師の研究成果活用力尺度の開発

  • 岡本 玲子
    大阪大学大学院医学系研究科 前岡山大学大学院保健学系研究科
  • 関 裕子
    観音寺市健康福祉部 前岡山大学大学院保健学系研究科
  • 合田 加代子
    甲南女子大学看護リハビリテーション学部 前岡山大学大学院保健学系研究科
  • 岩本 里織
    徳島大学大学院医歯薬学研究部
  • 小出 恵子
    四天王寺大学教育学部 前岡山大学大学院保健学系研究科
  • 芳我 ちより
    岡山大学大学院保健学研究科
  • 福川 京子
    兵庫大学看護学部 前岡山大学大学院保健学系研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Research Utilization Competency Scale for Public Health Nurses
  • ホケンシ ノ ケンキュウ セイカ カツヨウリョク シャクド ノ カイハツ

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抄録

<p>目的:本研究の目的は,保健師の研究成果活用力尺度を開発することである.</p><p>方法:原案15項目は,文献検討と研究者間の協議により作成され,予備調査を経て修正された.調査対象は中国地方で保健師が勤務する全行政機関184施設の常勤保健師約2,000人の2分の1であり,調査方法は郵送による自記式質問紙調査であった.倫理的配慮は文書で説明し,調査票の回収をもって同意を得たものとした.</p><p>結果:調査票の配布数は1,094,回収数614(56.1%),うち有効回答604(55.2%)であった.項目分析の結果5項目を削除し,10項目に探索的および確認的因子分析を行ったところ,2因子の最適解を得,構成概念妥当性が確認された.下位尺度名は「問題解決に向けた研究成果の探索」「研究成果の吟味・適用・評価」とした.折半法奇偶2群の相関は0.91であり,クロンバックα係数は尺度全体で0.92,各下位尺度も0.8以上と信頼性(内的整合性)が確認された.外的基準とした専門職務遂行能力尺度と本尺度得点との相関係数は0.4~0.5, 基準関連妥当性(併存妥当性)が確認された.既知グループにおける群別の平均値比較においても有意な関連がみられ,既知グループ妥当性が確認された.</p><p>結論:結果,10項目,2つの下位尺度からなり,一定の信頼性,妥当性を有する研究成果活用力尺度が開発された.今後,保健師の能力開発と評価に本尺度の活用が望まれる.</p>

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