可変速流体継手による駆動装置省エネルギー化

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  • Energy Saving Using The Variable Speed Fluid Coupling
  • カ ヘンソク リュウタイ ツギテ ニ ヨル クドウ ソウチ ショウエネルギーカ

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抄録

<p>多くのエネルギーを消費する製造プラントでは地球環境保護やエネルギーコスト削減を目的とし省エネルギー化を模索している。大型ボイラーを有するプラントでは大型のファンやポンプを駆動する電動機が大きな電力を消費している。ファンやポンプはスロットルやバルブ制御ではなく,駆動装置の回転数を変速する可変速化により供給量を制御することで大きな省エネルギーにつながることが周知の事実である。多く採用されている手法としてインバータ制御があるが,大型高圧電動機の分野ではその導入コストや交換部品コストが高額となり省エネ化が実現出来ない現状がある。そこで選択肢の一つとして可変速流体継手を使った省エネについて考察する。</p><p>可変速流体継手は1952年以来15,000機以上納入され多くの実績を持っている。砂漠,高温多湿,寒冷地,海上等世界中のあらゆる露天環境で運用され続け堅牢な設計であると同時にシンプルな構造で故障が少なくオーバーホール間隔も長い(8年毎)ISO規格軸受を使うなど部品も安価でありトータル的なコストパフォーマンスは非常に良い。また幅広いラインアップを持ち出力100~10,000kWに対応し電動機のほか内燃機関やタービン(スチーム,ガス)にも対応する。</p><p>本稿では実際に行われた省エネ化設備改修実例を基に可変速流体継手導入前と可変速流体継手導入後の省エネ効果を例に取り机上計算では含まれていないことが多い各機器の機械ロスを含んだ実際の電動機電力実測データからその有効性を報告する。また,可変速流体継手の作動原理や基本構造のほか特性及び長所,短所を解説し,可変速流体継手が運用条件次第で最良の選択肢の一つになりえることを解説する。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 71 (7), 730-736, 2017

    紙パルプ技術協会

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