ウメ‘福太夫’の新梢管理が光環境と果実生産に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of the branch-cutting on the improvement of light conditions and fruit production of Japanese apricot (Prunus mume Sieb.et Zucc.) 'Fukudayu'
  • ウメ'フク タユウ'ノ シン ショウ カンリ ガ コウカンキョウ ト カジッセイサン ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

福井県が育成したウメ‘福太夫’は,黒星病に強く,多収性で,梅干しやジャムなどの加工適性も高いことから,新たな主要品種として期待され,産地への導入が進んでいる。しかし,樹勢が強く,強勢な新梢が多く発生するため,樹冠内部が暗く,日照不足による花芽形成の減少や結実率の低下,樹体内で熟期がばらつくなど栽培上の課題がある。そこで,春先からの芽かきや夏季せん定といった新梢管理が樹冠内部の光環境および果実生産に及ぼす影響について検討した。新梢管理によって樹冠内部に発生する新梢数を制限することで主枝の背面が見えるようになり,側枝基部まで光が射すようになった。新梢管理区では,無処理区と比べて相対光量子束密度の低い測点の数が少なく,高い測点の数が多くなり,樹冠内部の光環境が明るく改善され,その効果は芽かき強度が強いほうが高かった。芽かき区は,無処理区に比べて3日程度早くから完熟して落果し,芽かき強度に関わらず熟期促進効果があった。側枝の発生位置が主幹に近いほど芽かき区の完熟落果率が高く,樹体内の熟期のばらつきが小さくなった。主幹から1.5mの範囲の側枝において,芽かき区のほうが結果枝乾物重,花芽密度,完全花率,結実数が高く,収量が増加した。

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