孤立性左横隔膜転移をきたした右腎細胞癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Solitary Left Diaphragmatic Metastasis from Renal Cell Carcinoma of the Right Kidney
  • 症例 孤立性左横隔膜転移をきたした右腎細胞癌の1例
  • ショウレイ コリツセイ サ オウカクマク テンイ オ キタシタ ウジンサイボウガン ノ 1レイ

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抄録

症例は78歳,女性.2008年に右腎細胞癌(clear cell renal cell carcinoma)に対して根治的腎摘除術が施行された.2016年3月のCT検査で左横隔膜に径30mmの腫瘤を指摘され,1カ月で47mmに増大した.他に転移や再発を疑う所見はなく,腫瘍摘出術を行った.アプローチは経腹腔的に行い,欠損した横隔膜はParietexTM Composite Meshを用いて再建した.病理診断はclear cell carcinomaで,腎細胞癌の横隔膜転移と診断した.術後約1年を経過したが,再発徴候は認めない.悪性腫瘍の孤立性横隔膜転移は稀であり,今回渉猟しえた範囲では本邦で12例の報告があった.すべてが腹腔内臓器原発腫瘍の右横隔膜転移で,本症例のように後腹膜臓器から左横隔膜へ転移した症例はなかった.再発機序は血行性転移と考えられ,文献的考察を加え報告する.

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