生竹・竹堆肥マルチが温室トマトの生育と収量に与える影響

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タイトル別名
  • セイタケ ・ タケ タイヒ マルチ ガ オンシツ トマト ノ セイイク ト シュウリョウ ニ アタエル エイキョウ
  • Effect of mulching by bamboo powder or compost on growth and yield of tomato

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抄録

生竹粉と竹堆肥の土壌被覆がトマト(Solanum lycopersicum)の生育と収量に与える影態について、2015年4月から9月にかけて愛媛大学農学部附属農場のガラス温室内にて実施した。資材を被覆しない裸地状態の対照区(C)、生竹粉および生竹粉を堆肥化した竹堆肥をそれぞれ新鮮重で3.3kg m-2被覆した生竹粉被覆区(B)、竹堆肥被覆区(BC)の3処理区を3反復で設けた。全処理区N、P2O5、およびK2Oそれぞれ8.90、12.0、および28.0g m-2を全量基肥で施用した。植物の生育、収量、養分吸収量を測定し、被覆資材由来養分利用率を算出した。また表層10cmの土壌化学性および地温(5cm)、体積水分率(0-10cm)を測定した。草丈は定植後日数19日目から49日目にBC区がC区より有意に高く、収量もBC区でC区よりも高かった。被覆資材からのNおよびK溶出量はそれぞれ施肥量の7~17%および12~23%に相当し、資材から溶出した養分が生育を促進したと考えられた。B区やBC区で果実1個当たりの重量が増加しまた尻腐れ果率も低下したことから、資材から溶出した養分(KやCa等)が果実の肥大に影響した可能性がある。資材が灌漑水を吸収し土壌水分が低下したが、被覆資材から溶出した養分の供給が低水分に起因する尻腐れ果発生の危険性を和らげたと考えられた。以上の事から、生竹粉や竹堆肥で土壌表面を被覆することでトマトの生育・収量の増加と尻腐れ果率の低下効果が期待できると考えられた。

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