東京都区部における自治体アンテナショップの立地展開と規定要因

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  • Locational Pattern and its Determinants of Antenna Shops in Tokyo’s Wards
  • トウキョウトクブ ニ オケル ジチタイ アンテナショップ ノ リッチ テンカイ ト キテイ ヨウイン

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本稿では、地方圏の自治体が、大都市圏に設置する拠点的店舗であるアンテナショップのうち、都道府県の施設を対象として、立地の動態と規定要因を明らかにすることを、目的とする。日本では、大都市圏での人口集中が進んだ一方で、地方圏では、人口維持や産業振興が、課題となっている。それを受けて、一部の自治体は、産業振興政策の一環として、大都市圏で、生産物の販売促進、観光誘客の拡大などを図っている。その一環として、地方圏の自治体は、物販機能、飲食機能、観光案内の機能などを伴う、アンテナショップを設置して、千代田区、中央区、港区の都心3 区へ、集中的に立地させている。その要因は、主な顧客層である中高年の女性が、多く訪れる地点であるという商業的要因と、都道府県の象徴として、東京大都市圏に立地する施設であるために、中心性の高い地点を指向することや、マスメディアの取材を受けやすいこと、あるいは、他のアンテナショップが多く分布しており、立地選定での失敗リスクが小さいことなども、考慮されている。本稿は、立地分析にとどめているが、今後には、産業振興政策としての、地域のマーケティングや地域ブランド化について、地理学的観点から、研究を蓄積することが求められる。

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