多変数モデル予測制御によるパルプ製造装置の最適運転実現

  • 瀬戸 邦彦
    ハネウェルジャパン株式会社 アドバンスドソリューションズ

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タイトル別名
  • Optimization of Fiberline Operation by Multi-Variable Model Predictive Control
  • タヘンスウ モデル ヨソク セイギョ ニ ヨル パルプ セイゾウ ソウチ ノ サイテキ ウンテン ジツゲン

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抄録

<p>多変数モデル予測制御は国内の石油精製や石油化学などのプロセス装置でも広く使用されているが,現在のところパルプ製造装置への適用事例は非常に少ない。一方海外では北米や欧州を中心に広くパルプ製造装置でも使用されている。ハネウェルが提供する多変数モデル予測制御Profit Controller はモデル誤差などに強く,困難な状況でも制御を継続できるという特徴を持っており,パルプ製造装置を含めて世界中で広く使用されている。 実際に連続蒸解釜に適用した際には主要運転指標であるカッパ価の変動を小さくすることができ,パルプ生産量 7.5 トン/日の増加や薬品使用量8 % の削減という効果が得られており投資回収期間も一年以内と非常に短い。 漂白工程や回収ボイラなどの他のパルプ製造工程への多変数モデル予測制御の導入でも同様に良好な結果が得られている。なお多変数モデル予測制御の性能を維持していくには継続したモニタリングとメンテナンスが必須であることが他産業への導入の長い経験から判明している。特にユーザー側の担当エンジニアの存在は欠かせない。 これらの必要な条件を整え,多変数モデル予測制御をパルプ製造装置に導入して活用していくことで,日本の紙パルプ産業の国際競争力をさらに強化することができる。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 71 (11), 1306-1310, 2017

    紙パルプ技術協会

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