落葉広葉樹林とスギ林における林床リター堆積量と浸透能に与える人工物設置の影響

  • 阿部 俊夫
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 東北支所
  • 岡本 隆
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 篠宮 佳樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of artificial obstructions on litter accumulations and infiltration capacities of forest floor in a deciduous broad-leaved stand and a sugi plantation stand
  • オチバ コウヨウジュリン ト スギバヤシ ニ オケル リンショウ リター タイセキリョウ ト シントウノウ ニ アタエル ジンコウブツ セッチ ノ エイキョウ

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抄録

林床のリター堆積が濁水ろ過機能に与える影響に関する研究の一環として,岩手大学御明神演習林の落葉広葉樹林とスギ林において,林床のリター堆積量に影響する要因と,簡易な人工物(園芸用支柱,ネット)の設置がリター堆積量と浸透能にどう影響するかを調査した。落葉リター堆積量に対する重回帰分析の結果,広葉樹林では傾斜方向の風速,スギ林では斜面傾斜の影響は認められたものの,全般にリター移動が不活発と考えられた。このため,人工物設置の効果は落葉リター堆積量と浸透能のいずれについても認められなかった。ただし,林種の違いは認められ,スギ林では広葉樹林よりもリター堆積量が多いが,浸透能は低かった。スギ林は表層土壌の細粒成分も広葉樹林より多く,過去の施業による撹乱が浸透能に影響したものと推察される。また,濁水を注入した場合の浸透能は,清浄水を用いた浸透能の83~95 %に低下することが分かった。

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