ヤエクチナシに対するオオスカシバ（鱗翅目：スズメガ科）の産卵選好性および摂食選好性

DOI Web Site
  • 金谷 整一
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所九州支所
  • 上田 明良
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所九州支所
  • 上田 夏也
    熊本県立第二高等学校
  • 井上 和久
    熊本県立第二高等学校
  • 塚原 由裕
    熊本県立第二高等学校
  • 村上 大成
    熊本県立第二高等学校
  • 田嶋 隆文
    熊本県立第二高等学校
  • 瀬上 眞由美
    熊本県立第二高等学校
  • 山本 健一
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所九州支所 現所属：国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所北海道支所
  • 松永 道雄
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所九州支所

書誌事項

タイトル別名
  • Oviposition and feeding preference of the pellucid hawk moth, <i>Cephonodes hylas</i> (Lepidoptera : Sphingidae), for <i>Gardenia jasminoides</i> form. <i>ovalifolia</i>
  • ヤエクチナシ ニ タイスル オオスカシバ(リンシモク:スズメガカ)ノ サンランセン コウセイ オヨビ セッショクセン コウセイ

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抄録

<p>熊本市にある立田山で発見されたヤエクチナシの適切な保全策を検討するため，ヤエクチナシとクチナシに対するオオスカシバ成虫の産卵選好性および幼虫の摂食選好性を比較した．野外における単位樹冠面積あたりの産卵数（卵と幼虫の合計）は，ヤエクチナシの方がクチナシよりも有意に多かった．産卵部位は両樹種とも葉，特に新葉が多く，75%を超えていた．両樹種の葉5枚ずつを入れた容器に幼虫を1日放し，摂食葉面積を比較した実験では，食害率に差がなかった．また，両樹種の同一面積の成葉1枚を入れたトレイに幼虫を1時間放し，摂食の有無を比較した実験でも，摂食の有無に差がなかった．以上のことから，オオスカシバはヤエクチナシに対する産卵選好性はあるが摂食選好性はないと推察された．今後，自生地内外においてヤエクチナシを保全する上で，オオスカシバの防除の重要性を考察した．</p>

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