国際バカロレアのDP(Diploma Programme)数学における学習指導についての考察 : ─今後の数学教育の課題を考える上での事例研究─

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タイトル別名
  • コクサイ バカロレア ノ DP (Diploma Programme)スウガク ニ オケル ガクシュウ シドウ ニ ツイテ ノ コウサツ : コンゴ ノ スウガク キョウイク ノ カダイ オ カンガエル ウエ デ ノ ジレイ ケンキュウ
  • コクサイ バカロレア ノ DP(Diploma Programme) スウガク ニオケル ガクシュウ シドウ ニ ツイテノ コウサツ : ─コンゴ ノ スウガク キョウイク ノ カダイ オ カンガエル ウエデノ ジレイ ケンキュウ─
  • Examining Teaching and Learning in Mathematics in the Diploma Programme of International

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抄録

本稿では国際バカロレア(International Baccalaureate : IB)におけるIBディプロマプログラム(Diploma programme: 以下DP)のDP科目である数学の授業の一つを事例として取り上げ,その授業の学習指導の内実を明らかにして,学習指導の質について検討するとともに,それを通してグローバル化する数学教育における今後の研究上の課題についても議論することを目的とする. まず,DP科目の数学(DP数学)の目的や方法,評価について先行研究より概観した.次に,DP数学の授業の三角形の外心の証明に関する授業を事例として取り上げ,授業の内実を明らかにした.授業の特徴として,第一に,英語による教授が挙げられるが,具体的には,教師が英語をほとんどの場で用いていたのに対して,生徒は英語の会話の中で日本語を補完的に用いており,概念的に難しい議論をするときには日本語が使用されることが明らかになった.第二に,IBの学習指導の特徴の一つであるICTの利用も,授業で盛んに行われていた.また,IBにおけるDP数学も日本の高校数学と同様に,指導上の課題は教師の指導の特徴にも依存していることが示された. 今後の数学教育研究の課題としては,将来的にはグローバル化により日本の数学の教授も英語化することが予想され,そのためにIBを事例とした教授の学習指導の質の検討や,他言語環境での生徒の認知的・認識的特徴や状況を明らかにしていくこと,あるいは,DP数学の学習指導の質の向上についての議論などが必要であることを指摘した.

収録刊行物

  • 科学/人間

    科学/人間 47 105-118, 2018-03

    関東学院大学理工学部建築・環境学部教養学会

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