分娩前にヘモプラズマ病を疑った黒毛和種雌牛の1例

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タイトル別名
  • Suspected hemoplasmosis in a prepartum Japanese Black cow
  • 症例報告 分娩前にヘモプラズマ病を疑った黒毛和種雌牛の1例
  • ショウレイ ホウコク ブンベン マエ ニ ヘモプラズマビョウ オ ウタガッタ クロゲワシュ メウシ ノ 1レイ

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抄録

<p> 症例は黒毛和種,10 歳齢の雌牛で,2016 年4 月に長期在胎のため分娩誘発の処置を行った.小型ピロプラズマ病の既往歴があったため血液検査を行ったところ,血液凝固時間(血清分離用真空採血管内)の遅延がみられ,血液塗抹標本において赤血球表面に付着する病原体を確認し,ヘモプラズマ病を疑った.臨床症状はみられず,分娩直前から分娩2 日後の赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値は正常範囲内で低値を示した.リアルタイムPCR 検査の結果,血液からCandidatus Mycoplasma haemobos が検出された.ヘモプラズマと思われる病原体の寄生率は,分娩前日が最も高く(23.9%)その後低下し,それに伴い血液凝固時間は短縮し,分娩1 日後にはほぼ正常な値となった.分娩前日から分娩直前の好酸球の比率は,ヘモプラズマと思われる病原体の寄生率の減少とともに減少した.また,分娩直前から分娩2 日後の血液塗抹標本において,小型ピロプラズマ原虫が確認された.血中への病原体の出現には,分娩前後の免疫抑制状態が関与するものと推察されたが,ヘモプラズマと思われる感染が確認された同居牛においては,分娩前後において血中に病原体はみられなかった.</p>

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参考文献 (11)*注記

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