希少糖生産酵素L-リブロース3-エピメラーゼの機能と立体構造の相関性について

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タイトル別名
  • The correlation between structure and properties of L-ribulose 3-epimerase
  • キショウ トウ セイサン コウソ L-リブロース 3-エピメラーゼ ノ キノウ ト リッタイ コウゾウ ノ ソウカンセイ ニ ツイテ

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抄録

希少糖とは自然界にごくわずかにしか存在しない糖類の総称であり,一部の希少糖にはがん細胞の増殖抑制効果,食後血糖値の上昇抑制効果などの生理活性が見出されている。我々は,希少糖生産酵素の1つであるケトース3-エピメラーゼについて研究を行っており,Mesorhizobium loti由来の新規L-リブロース3-エピメラーゼ(L-RE)を見出した。既知のケトース3-エピメラーゼがケトヘキソースに最も高い活性を示すのに対して,L-REはケトペントースに高い活性を示し,また熱安定性が高いことが明らかとなった。L-REを結晶化し,X線回折実験に供して2.7Åの分解能で構造を決定した。ホモテトラマーであるL-REのモノマーの構造は,構造既知のケトース3-エピメラーゼとよく類似していたがC末端領域のα-ヘリックスが長くなっており,隣接するサブユニットとこの部分の間に形成された特異的な相互作用が,L-REの高い熱安定性に寄与していることを明らかにした。また活性部位の構造を比較した結果,L-REの活性部位キャビティの体積が他の酵素より小さいことが,L-REのケトペントースに対する高い活性の要因であると推測された。

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