アメリカ50州における選挙管理組織

書誌事項

タイトル別名
  • What Explains the Organization of Electoral Management Bodies in the U. S. States?
  • アメリカ50州における選挙管理組織 : 何がトップの選出方法を説明するのか
  • アメリカ 50シュウ ニ オケル センキョ カンリ ソシキ : ナニ ガ トップ ノ センシュツ ホウホウ オ セツメイ スル ノ カ
  • 何がトップの選出方法を説明するのか

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抄録

<p>選挙管理組織 (Electoral Management Body: EMB) の形態とその影響に関する多国間比較の研究は進んでいるが, その知見を先進民主主義国の代表であるアメリカ合衆国に応用することは難しい。そこで本稿は, 州レヴェルに着目し, 州政府のEMBについて, トップの選出方法の多様性と共通点を記述し, それを説明することを目的とする。</p><p> まず多様性については, EMBの組織形態は, 単独のトップが選挙で選ばれる形態・単独のトップが政治的に任命される形態・超党派のメンバーで構成される委員会がトップとなる形態の3つに大別される。計量分析により, 民主党への支持が強い州ほど選挙管理委員会の制度を採っているという仮説が緩やかに支持されるが, こうした短期的な政治的要因以上に, それぞれの州が選挙管理委員会制度を採用した際の経緯と, その後の制度の継続性の方が重要である。他方, 50州に共通する点は, EMBのトップが何らかの党派性をもっていることである。とくに最近では無党派のEMBを求める声の高まりにも拘わらずそれが実現されていない。その理由は, 選挙ガヴァナンスへの注目が高まったことで, かえってEMBの組織形態が党派的な争点となったことである。党派的に独立した選挙管理委員会を一度は設立しながらも廃止するに至ったウィスコンシン州の事例によって, このことを確認する。</p>

収録刊行物

  • 年報政治学

    年報政治学 69 (2), 2_82-2_106, 2018

    日本政治学会

参考文献 (8)*注記

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